歯周病Q&A
口臭が気になる。歯周病の可能性はある?
口臭が気になる場合、歯周病の状態チェックやプラークコントロールを行っていきます。
正しい方法で歯磨きをしていると思っても、実際には磨き残しが多いという場合も少なくありません。また、歯周病が進行すると歯茎から膿が出てきますが、これも口臭の大きな原因の一つ。
これからの問題が見当たらないという場合、舌の表面を磨くと口臭が改善することもあります。
呼吸器・消化器が原因となっている場合など、口臭の原因がお口の中にないということもありますので、その場合は口臭専門外来のある大学病院等に紹介させていただきます。
念入りに歯磨きをしていてもダメなの?
実は歯磨きにおけるブラッシングはとても奥が深いものです。丁寧にやっていると思っても磨き残しは意外に多く、むし歯や歯周病の原因となってしまうのです。特に、歯と歯の間は歯ブラシが届かないため、デンタルフロスなどを使わないと汚れ取ることが出来ません。
自分がどのくらいちゃんと歯を磨けているかどうかをチェックするためには歯垢染色液を使って歯垢を染め上げるという方法が効果的です。「こんなにも磨き残しがあったのか」と驚かれる方が多くいらっしゃられます。
ブラッシングなど、プラークコントロールはしっかり出来ているのに歯茎から出血したり腫れている、または膿が出るという方は高い確率で歯周ポケットが出来てしまっています。
これは歯磨きだけで治ることはありませんので、歯周病専門の歯科医を受診するようにしましょう。
歯石は取らないとダメ?
歯垢が唾液の中に含まれるカルシウムと結合し石灰化したものを「歯石」といい、歯や歯根の表面に付着します。
歯石には「縁上歯石(歯と歯肉の境い目につく歯石)」と「縁下歯石(歯根の表面につく歯石)」がありますが、縁下歯石の場合、患者様ご自身ではついているかどうかを確認することが難しくなっています。
歯磨きをした時に出血するという場合は、その場所に縁下歯石が付着している可能性が大きいです。
歯石は元々は細菌なので、歯石を取らないことには歯周病も治りません。
特に歯周病が進行してしまっている患者様の場合、スケーリングやルートプレーニングと呼ばれる、歯根のざらざらを綺麗にしていく治療を行って縁下歯石を取ることが必要不可欠です。
治療は経験を積んだ熟練の歯科医師、歯科衛生士が丁寧に行い、痛みが出る場合には事前に麻酔を行いますので安心して治療していただけます。
歯が動くのはなぜ?
歯が動くのは、大きく分けて2つの理由が考えられます。
1、歯周病が進行し、歯槽骨(歯を支える骨)が吸収されてしまい、歯を支える力が弱まっている
2、悪い噛み合せ、歯ぎしりなどで特定の歯に強い力がかかってしまっている
片方の理由だけではなく、1と2両方の理由が原因となって歯のぐらつきが引き起こされているということも考えられます。
1の場合には「歯周病治療」、2の場合には「噛み合わせの調整」「ナイトガード(寝る時に装着)」など過剰にかかる噛む力を軽くするというような治療を行います。
再生療法ってどんな治療?
簡単に言うとすれば、「歯周病」は歯槽骨(歯を支えている骨)や歯茎などの歯周組織が吸収されてしまう病気ですが、この吸収されてしまった歯周組織を再生させるための治療が「再生治療」です。
現在では「タンパク質(エムドゲイン)を用いた方法」「GTR法という膜を用いる方法」「リグロスという細胞を増やす成長因子を塗布」という治療法がよく使われています。
万能ではないものの、従来では治療することの出来なかった悪化した歯周病に侵されてしまった骨も甦らせることが出来るようになっています。
再生治療は保険は適用されませんので、経験と十分な技術、知識を持った熟練の歯科医師と相談して治療を受けるようにしましょう。
ただし、リグロスは2016年9月より保険適用として歯周組織再生療法でも使用できます。
インプラントQ&A
インプラント全般について
インプラント治療の歯科医院選びで重要なことって?
インプラント治療における歯科医院選びはとても重要です。なぜなら、インプラントは治療を行う歯科医師の技術によって仕上がりに大きな差の出る治療だからです。
経験豊富な熟練の歯科医師かどうかを判断するためには、年間にどのくらいインプラント治療を行っているかを聞いてみることも一つの判断基準になるかと思います。
何度も入れ歯を作り直したのに合わずにお困りの患者様がインプラントにしたおかげで快適に噛めるようになり、食事やおしゃべりも楽しむことができ、体が元気になってきたという話もよく耳にします。
インプラントはどのくらいもつの?
インプラントを長持ちさせるためには定期的なメンテナンスと患者様による日常的なケアがとても大切です。しっかりとしたケアを行うことで、インプラント治療後20年以上ももっているという報告もあります。
当院ではインプラント治療を終えた後にもしっかりとしたメンテナンスをさせていただき、インプラントがより長持ちするように努力しております。
インプラント治療は安全なの?
現在のインプラント治療は研究や技術の進歩によって安全性・予知性の高い治療となっていますので、注意事項を守り、確かな技術を持った歯科医師による治療を受ければ問題はほとんどないと言えます。
むし歯や歯周病など、必要な治療はインプラント治療の前に完了させ、インプラント設置後も定期的なメンテナンスと正しいセルフケアを続けていくことでインプラント治療を成功へと繋げていくことができます。
インプラント治療治療にリスクはある?
インプラント治療は危険を伴うものではなく、一般的に抜歯程度の負担であるとされています。
外科手術を伴いますので全くリスクがないという訳ではありませんが、しっかりとした管理を行うことで安心して治療を行っていただけます。
当院ではインプラント手術の前にCTなどを用い、リスクの有無を詳細まで丁寧に確認します。更に、手術で切開・埋入などを行う際には細心の注意を払い、マイクロスコープ、ルーペを使って治療を行っております。
どんな時にインプラント治療をするの?
歯が1本だけないという場合から、全ての歯を失ってしまったという場合まで、歯が無い場所があればインプラント治療の対象となります。
歯が抜けてしまった、入れ歯の使用感に慣れず苦痛を感じる、永久歯が生えてこないなど、あらゆるケースに対応可能となっており、多くの患者様に喜んで頂いております。
顎の骨にチタンを埋め込んで問題があることはないの?
人体に異物と認識されない、生体親和性の高い金属であるチタンは、同時に優れた耐食性も持っています。アレルギーの原因にもなりにくく、一度骨と結合すると体の一部として体内で機能してくれます。
インプラント治療に年齢制限はある?
インプラント治療に年齢制限はありません。
経後の女性は骨が軟らかくなっているため、インプラント設置から噛めるようになるまで長く養生期間を設けるようにしていますが、80歳以上の方にもインプラント治療を受けていただいております。
インプラント手術や治療について
インプラント手術の痛みが心配
当院ではまず粘膜に麻酔薬を塗ってから麻酔注射での局所麻酔を行っています。そのため針を刺す時の痛みを最小限にまで抑えておりますので、手術中はもちろんのこと、麻酔を行う際にも痛みを感じることはほぼありません。
インプラント手術の所要時間は?
インプラントの本数にもよりますが、1回の手術は通常1時間~2時間程度で終わります。
インプラント治療期間はどのくらい?
インプラント治療では手術でインプラントを埋め込んだ後で、骨とインプラントが結合するのを待つ期間が必要です。(2ヶ月~半年程度)結合しているのが確認できたら人工歯(上部構造)を取り付けます。
症例によっては骨を増やす処置が必要な場合もあり、この場合は手術前に骨の状態が整うまで数ヶ月~半年の期間が必要となることもあります。
入院する必要はある?
部位に関わらず入院の必要はありません。インプラント治療を行ったその日のうちにご帰宅していただくことが可能です。
インプラント手術当日でも軟らかいものなら食べてもいいですし、シャワーも短時間なら浴びて問題ありません。
特殊なインプラント治療
難しいインプラント治療の症例はある?
当院では、紹介などでいらっしゃる大半の患者様が難しい症例です。
元々顎の骨が薄い日本人は歯周病などの歯根の病気を長く患ってから歯を抜くと、周囲の骨が溶けてなくなってしまっているという場合が少なくありません。これはインプラントを支えるための骨がないという難症例です。
難症例の場合、どんな治療法がある?
当院では、顎の骨が足りないという患者様には主に骨の移植を行いインプラントを支えるための土台となる骨を作り出しています。
著しく骨が溶けていれば人工骨の移植を行うこともありますが、作る顎の骨が少しであれば患者様ご自身の骨を移植することで済ませることができます。
歯肉も硬く丈夫な歯肉がなくなってしまっている場合、歯肉移植を行い、硬く丈夫でメンテナンスのしやすい歯肉を獲得することもできます。
手術したあとはどのくらい腫れるの?
手術の内容にもよりますのでまずご相談ください。
顎の骨を作るための人工骨はどこから取ってくるの?
特殊な器具を使ってインプラントを植立する周囲から掻き取りますが、足りない場合は歯や骨を構成している主成分であるアパタイトの移植行います。
以前は腰の骨を採取するために入院をしていただいていましたが、アパタイト移植には入院の必要はありません。現在は骨が再生しやすいアパタイトを利用しており、1~2年ほどで移植したアパタイトをご自身の骨に置換します。
インプラント治療後
インプラント治療完了後、噛めるようになるまでにどのくらいかかるの?
インプラントを埋め込んだ後には骨とインプラントの結合を待ちます。その後人工歯をセットする手術を行いますが、早ければこの2次手術までを4ヶ月程で終える事が可能です。
インプラント治療をするとどの程度噛めるようになるの?
骨とインプラントがしっかり結合するまではあまりに硬いものを噛まないように気をつけたりする必要がありますが、天然の歯と同じかそれ以上の力で噛むことが出来るようになると言われています。
インプラント治療の費用について
インプラント1本につきかかる費用はいくらくらいですか?
インプラント治療の内容は患者様のお口の状態によっても異なるため、具体的な費用については診断を行ったあとでお話させていただきます。目安については料金表をご覧ください。
医療費控除の対象ですか?
見た目をよくするためのホワイトニングなどの治療の必要は医療費控除の対象外となりますが、インプラント、矯正、むし歯治療などの歯科治療を行った場合にかかった必要は保険診療・自費治療のどちらも医療費控除の対象です。
詳細については国税庁の医療費控除に関するページをご覧ください。