インプラントについて

インプラント治療を安全・安心に行うために

インプラント治療は、充実した設備と整備された環境、そして経験豊かな歯科医師が行えば98%以上という高い成功率が証明されている治療法です。当院では様々な取り組みを行い、患者様に安心してインプラント治療を行っていただけるよう、日々努力しております。

インプラントを行う前に

インプラント治療を行う前に、当院では、「本当にインプラント治療が必要かどうかをチェック」します。そのうえで「メリット・デメリットの説明」を丁寧におこないます。

本当にインプラント治療が必要かの 確認

インプラントは失った歯を取り戻すための素晴らしい治療法ですが、今ある歯を残すことが最優先です。それを考えず、インプラント治療ありきで検査や治療を進めることがあってはいけないと考えます。

実際、インプラント治療を行わなくてもいいケースも存在します。そのため、事前に徹底した検査を行います。レントゲンやコンピュータを使った解析などを活用し、徹底的に患者様のお口の周りの状況をチェック。本当にインプラント治療が必要かどうか、診断致します。

メリット・デメリットを丁寧にご説明

患者様によってお口や顎の状態が異なるように、インプラント治療で生じるメリットとデメリットも異なります。インプラント治療を行うか、それとも他の治療を行うか。治療の前に患者様が迷ってしまうのは当たり前のことです。きちんと納得してどの治療を行っていくかを決めていただけるよう、それぞれの治療法のメリットとデメリットを丁寧にご説明させていただきます。

当院が採用しているインプラント

世界中でインプラント治療が普及している現在、インプラントの製造メーカー数は数百を超えています。当院では、世界的な信頼と実績を兼ね備えたトップブランドの中から性能と価格の両面で厳しい基準を設けたうえでインプラントメーカーを選定し採用しています。

ストローマン社

ノーベルバイオケア同様に世界でもトップのシェアを誇るスイスのインプラントメーカー。臨床応用されたのは1974年からで革新的な技術力で多くの歯科医師の信頼を得ています。1974年に臨床応用され、歴史ある信頼性の高いインプラントで、スイスのベルン大学とストローマン研究所とで共同開発されたものです。ストローマンインプラントは、特に研究に対して非常に力を入れており、ITI(International Team for oral Implantology / 口腔インプラント学のための国際チーム)という、大規模な非営利学術機関と連携体制にあります。こうしたことからストローマン社のインプラントはITIインプラントと長らく呼ばれてきました。

ネオスインプラント

歯科用インプラント発祥の地であるスウェーデンのイェーテボリで開発・製造されたインプラントです。様々な研究を重ね20年以上の実績と全国23か国にまで提供されています。生体安全性を第一に考え、豊富な臨床データによりネオスインプラントは最も先進的で臨床的に成功したシステムとして高く評価されているインプラントです。強化チタンを用いることで破折の可能性を圧倒的に下げ、高い安定性と密閉性の向上により安心して治療ができるインプラントです。

ノーベルバイオケア社

近代インプラントシステムのパイオニアメーカー。ブローネマルク教授が発見した骨に結合するインプラントを世界で初めて製造展開しています。「タイユナイト」と呼ばれる 表面性状を有し、様々な形状のインプラントを有し様々さ症例に対応できます。 補綴用のパーツも多数あり、審美的 な治療から多数歯欠損に対しても対応することが可能です。

NEODENT

より多くの患者の生活を変えようという目的でブラジルの歯科医が歯科医のために設立した会社で、25年以上の歴史があります。Neodent®は、年間160万本超のインプラントを世界60ヶ国以上で販売しているグローバルデンタルインプラント会社です。ストローマングループの会社のインプラントでアバットメント(土台)とインプラント体(フィクスチャ)の結合部分をより簡単に美しくするインプラントです。そのため、クオリティーが非常に高いインプラントです。

OSSTEM社

韓国はインプラント分野において先進国でありOSSTEM社はアジアシェア1位の会社世界シェアでも6、7位くらいに位置付けています。私もOSSTEMとは直接関係ないですが、ソウル大学の歯科医師と症例検討や技術研鑽をおこなっております。

骨が足りない・他院で断られた方へ

インプラントを埋め込むためには、ある程度の骨量が必要となります。日本人は顎の骨が薄く、少ない傾向がありますが、インプラント治療をご希望の患者様の中には歯周病で歯が抜けてしまい、歯槽骨の吸収が進んでしまっているという方もかなり多いです。そのため、そのままの状態ではインプラント治療が行えないというケースも少なくありません。

当院ではそのようなケースの場合でもインプラント治療が出来るように、人工骨を作り不足分を補う処置・骨造成手術や、再生を促すさまざまな再生治療を行っております。症例に応じてより良い治療法を選択して対応いたします。そのため、他の病院でインプラントは出来ないと断られてしまった場合でも、当院でしたらインプラント治療が実現可能なケースがございます。まずは一度当院までお気軽にご相談ください。

ソケットリフト

ソケットリフトは上顎の奥歯の骨の高さが不足している場合に用いる骨誘導再生法です。インプラント埋入時に同時にシュナイダー膜を持ち上げ、上顎洞に骨を作る手法で、サイナスリフトのように大規模な骨造成を伴わない場合に用いられます。

昔はハンマーで叩くなどして持ち上げていましたが、今はシュナイダー膜を傷つけにくいドリルが開発され(当院ではOSSTEM社のCASキットを採用)今までよりもより安全で低侵襲で行うことができてます。

サイナスリフト

上顎洞を利用した骨の造成を行うことで骨の幅を確保するというところはソケットリフト法と同じです。しかし、上顎洞に頬側側面から直接的なアプローチを行うため、より外科的な手術となるのがサイナスリフト法です。

ソケットリフト法が目視できない感覚的手法であることに対して、目視できるサイナスリフト法はより骨の幅をしたいという場合に行います。この手術で造成した骨が安定したら、インプラント手術を行います。

GBR法

GBR法では、顎の骨や歯槽骨が足りず、インプラントを埋め込むことが出来ないという行う治療です。顎の骨や歯槽骨の治療を促し、場合によっては骨生成材(骨補填材)を使ったり、自家骨(患者様ご自身の骨)を採取し移植して骨の再生を促すこともあります。

ソケットブリザベーション

ソケットブリザベーションとは、抜歯部に人工骨を補填し、歯槽骨の温存を図る処置のことで、骨を保存し、再生をさせる治療です。歯を抜くと穴が開き、この穴は時間とともに周りの骨の吸収が進み、やせて薄くなっていきます。このような状態になってしまうとインプラントの埋め込みが難しくなってしまうため、骨がやせて薄くなる前に処置をすることで将来的にインプラントをしたい場合に有効な治療法です。

図説:ソケットプリザベーション

図説:ソケットプリザベーション

1.破折などにより、残せなくなった歯を丁寧に抜歯します。

2.当院ではEr:YAG(エルビウム・ヤグ)レーザーを用い、徹底的に感染組織の除去、消毒をします。※

3.施術直後:人工骨、コラーゲン、成長因子を抜歯窩に填入。メンブレン(保護膜)を設置します。

4.施術3か月後~:歯槽骨が再生・温存されます。

Er:YAG(エルビウム・ヤグ)レーザーは水に特異的に吸収されるレーザーであり、歯槽骨ー感染組織など水分含有量が違う部位の境界に特異的に作用するため、骨の微小な凹み(骨小窩)などに入り込んでいる感染組織も徹底的に綺麗にすることが可能です。また、レーザーのLLLT(Low Level Laser Therapy)の作用により、組織の治癒の促進効果、疼痛緩和効果も期待できます。

ソケットブリザベーションの必要性

  • 抜歯した後に何も行わないと、周囲の歯槽骨が吸収を起こしてしまい、歯槽骨が薄くなってしまったり、凹んでしまったりしてしまいます。インプラントを挿入する際に、無理した角度や深度で手術をしなければいけなくなったり、上部構造(人工歯)が入った際、不自然な形になったり、汚れが溜まりやすく、磨きにくいなど、デメリットがたくさん出てしまいます。
  • また、ブリッジでも同じことが言えます。ダミー部(ポンティック部)に汚れがたまりやすい構造になってしまい、予知性の高い治療結果にならなくなってしまうことがあります。

抜歯時、抜歯部位周囲の歯槽骨は治癒しようとします。その治癒する力を利用し、骨芽細胞(骨を作る細胞)の足場となる人工骨、コラーゲン、成長因子(AGF等)を抜歯窩に填入し、上皮(歯肉)が陥凹してこないようにメンブレンを設置し治癒を待ちます。そうすることによって、歯が健康的だった頃と同じような形態で歯槽骨を再生・温存させることができ、その後の欠損補綴(インプラント、ブリッジ)の予知性の向上につながります。

※予知性とは:歯科業界では治療後に良好な結果が長続きすることが予測できると言う意味。

スプリッドクレスト

骨の頬舌的幅が足りない場合の幅を確保する治療方法です。骨に切り込みを入れ、徐々に骨幅を広げてスペースを作っていく方法です。歯周病や歯根破折で歯を失った場合、抜歯後に長時間経過した場合、頬舌的に骨が吸収してしまうことが多くあり、その際にスプリッドクレストを採用しています。

CGF再生療法

Concentrated Growth Factorsの略で、採血した血液から患者さんの血液由来のフィブリンゲル(血液凝固に関わるタンパク質)をつくり、骨造成治療の際に使用することで、骨の再生を促進させることができる再生療法です。自己血液由来の方法のため、拒絶反応や感染などのリスクを軽減できることがCGFの大きな特徴です。

骨の結合を高める当院のインプラント(光機能化インプラント)

インプラント治療では、顎の骨にチタン製のインプラントがいかにしっかりと結合するかがとても重要なポイントです。そんなインプラントの機能を大幅に高めるだけでなく、長期的な安定性を獲得することが出来るのが「光機能化インプラント」という最先端の治療法です。

インプラント製造からの時間の経過により、インプラントと骨の表面が接着する能力は徐々に低下することがわかってきました。この接着能力の低下を「チタンエイジング」と言います。「光機能化インプラント」はそんな「チタンエイジング」を改善するため、日本で開発されました。

チタンエイジングを起こしてしまっているインプラントに紫外線を照射し、インプラントと骨を最高の状態にまで引き出すことが出来るという「光機能化インプラント」はまさに画期的な治療法と言えます。また、「光機能化インプラント」にはインプラント表面の血液に対する親和性を高める効果や、インプラント周囲に作られる骨を増加させるという効果もあります。「光機能化インプラント」は、まだ日本国内では導入している歯科医院は限られています。ぜひ当院まで一度ご相談ください。

光機能化技術とは

UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の小川隆広終身教授が開発した、チタンエイジング(時間の経過によりチタン製のインプラントと骨の結合能力が低下してしまった状態)を改善し、結合能力を再び取り戻す画期的な技術が「光機能化技術」です。一定の波長の光をインプラント表面に当て、チタンエイジングを回復させることにより、顎の骨とインプラントが結合を促します。多くのメディアに取り上げられている光機能化技術は海外の権威ある英文科学雑誌にも多く掲載されているほか、欧米の教育プログラムや教科書にまで導入されています。信頼性の実証されている画期的な治療法なのです。

光機能技術の5つの特徴

  1. インプラント治療の成功率を高める効果がある
  2. インプラントと骨がより強固に結合するよう導くことが出来る
  3. 結合するまでの期間を短縮することが可能
  4. 顎の骨の形成を助け、外科処置(骨造成手術など)の回避につながる
  5. 難症例においても治療成功の信頼性が高まる

光機能技術の効果

通常インプラント治療では、周りの骨の接着量が少ないが、光機能化技術を用いた場合は、周りの骨とインプラントの周りをほとんど覆い尽くすように骨が新生できます。そのため強固に接着します。インプラントと顎の骨の結合能力が2.5~3倍も上昇するといわれています。多くの一流科学雑誌でも数多く取り上げられ、アメリカやヨーロッパでは既に歯学教育に取り入れられており、世界的に標準化されつつあります。

セラビーム アフィニーを導入

当院では「セラビーム アフィニー」を導入しています。

セラビーム アフィニー

光機能化を実現する「セラビーム アフィニー」は異なる3つの波長の紫外線をインプラントに照射。チタン表面を工場で製造された直後の状態にまで戻しているため、顎の骨との結合能力が最高にまで高まります。インプラント治療成功に繋がり、さらに顎の骨の形成も早まるため治療期間の短縮も期待出来るのです。

セラビーム アフィニー

インプラント治療後のメンテナンス

インプラント治療を終えたあとは、定期的なメインテナンスとインプラント周囲炎の予防をしっかりと行っていくことが大切になります。通常の歯周病と同じように、歯垢(プラーク)や歯石を放置していると、インプラントが細菌感染を起こし、歯周組織の炎症を起こす「インプラント周囲炎」になってしまうことがあるからです。また、インプラント治療前にしっかりと歯周病治療を行わなわないままインプラント治療を行ってしまった場合もインプラント周囲炎になるリスクは上がります。

通常の歯周病に比べ、症状が進行していくのが圧倒的に早いインプラント周囲炎ですが、更にある程度症状が進行しないと患者様ご自身で気づくことが出来ないというのもインプラント周囲炎の恐ろしいところです。かなり深刻な状態にまで進行してしまってからインプラント周囲炎に気付いたというケースも少なくありません。インプラントは自然に生えている歯とは違い、痛みや出血などが出にくいため、インプラント周囲炎になっていることに気づけないのです。

初期段階なら歯垢や歯石の除去など、比較的簡単な処置で改善しますが、症状が悪化すると歯周組織にまで炎症が広がっていき、歯槽骨(歯を支える骨)が吸収されてしまいます。ここまでくると外科治療が必要になりますが、最悪の場合、インプラントを摘出しないといけないことにもなりかねません。だからこそ、インプラント周囲炎の予防が重要になるのです。

患者様ご自身で行っていただける歯磨きなど、毎日のケアはどんなに丁寧に行っても限界があります。歯科医院での歯科衛生士による、専用の器具を使ったクリーニングを行うことはインプラント周囲炎を防ぎ、快適にインプラントを使い続けることに繋がります。定期的なクリーニングと合わせて定期的な咬み合わせの状態のチェックもおすすめしています。

インプラント治療の症例

当院における実際の患者様の要望、相談から治療までの流れをまとめております。ご参考ください。

  • ブリッジからのセラミックとインプラントによる治療
  • 歯根破折歯の抜歯、ソケットプリザベーション(抜歯窩温存術)、骨再生術。インプラントによる欠損補綴
  • 前歯部、歯槽骨の厚みが少ないところに対して行った、ソーセージテクニックによるGBR(骨造成)。インプラント補綴の症例
  • インプラント治療(全顎補綴治療)